2011年12月27日火曜日

娘は居残った


よりによって、娘が風邪をこじらせ、明日からの父一家とのイタリア訪問を断念し、私と二人きりで家にいる。よりによって、娘である。
夕食後、息子達を送り届けた後、仕方なく救急薬局へ車を走らせ、副鼻腔炎の薬と痛み止めを買って帰宅した。カプセルを飲めないと泣き崩れる娘を見て、なんとも手のかかる子だなと思うが、病気故に我慢を重ねて、砂糖にカプセルの中身のジェルを含ませて頓服させた。

痛み止めを飲めばもっと酷くなるといい、自室にはクモがいるから寝たくないと泣き叫び、うんうんうなって、それは面倒な患者である。しかし、その姿は具合が悪そうで確かに哀れでもある。親としても義務感が押し寄せて来て、おかゆやヨーグルト等を与え、ホットドリンク形式の痛み止めを飲ませ、ゴミ置き場と化したベッド周囲をマスクと手袋で掃除し、クモ退治も報告したところで、ようやく収まって来た。

母親を独り占めした上で、あれもこれもやって欲しい。普段はその異常なる依存度が、私をイラつかせ、何もしてやるまいという気持ちにさせたのだが、こうして何から何まで面倒を見ていると、結構静かになるものなのだ。
しかし、感謝の気持ちや自立心があるから、少しは一人でやろうと思うだろうとか、これだけやれば、いずれは気が済むだろうなどという考えはまだまだ甘い。何年も依存を続け、なんでもやってくれるという証明をかき集めなければ、彼女は自立できないであろうし、あるいは一生証拠や証明が足りず、信じられず、欠乏感と喪失恐怖から、依存が終わらないかもしれない。

どちらにせよ、人間大人になった子供の世話をすることはできないし、それは自立を妨げるのだから、勝負は今だけだろう。

最近の娘の弱り方は、それでも包囲の壁が崩れたと見ることもできる。何かを立て直すチャンスであるかもしれない。このよりによって娘が病気で年末の私の唯一の休暇に居残った、ということは、どこかで偶然ではないのかもしれない。注意深く見守らなければならないだろう。

2 件のコメント:

  1. 明けましておめでとう。ブログを読む限りでは、元気なのかな?
    この日記を読みながら、ある親子の事を思い出しました。お互いに愛し合っているのに、上手く相容れる事が出来ないと言うか・・・。上手く文章に出来ないので、また時間のある時にでも。ただ私の知る限り、あなたの娘は本当に繊細で可愛い甘えん坊さんなんだと思いますヨ。
    この冬休みは会えなくて本当にゴメンね。今年はずーっと居る予定なので、どしどし遊びに来て下さい。いつでも待ってます。
    日本でのお正月も、私が思い描いていたものとは随分と違って感じました。時は確実に流れている事を実感。自分の年齢を考えれば当然なんだけどね。
    今年もよろしくね。子供たちにたくさんBaciを。。。

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  2. メール出したよ。

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