2005年1月6日木曜日

Kristeller

2005年1月6日

今日はずっと頭に引っかかっていたことがひらめいた。Monteverdiは、彼の人生後半で、すでにバロックの時期にあったにもかかわらず、何故、もう一度マドリガルやオペラの中で、百年以上も前のヒューマニズムの詩人、ペトラルカなどを取り入れる必要があったのかと言うことが分からなかった。何故、イタリアに、ルネッサンスの終わりに、ヒューマニズムのリヴァイヴァルがあったのかと言うことを説明することができない。色々と調べたが、どこにも載っていない・・・。しかし、かの有名なルネッサンス学者、Kristellerの本を開いたら、やはりあった。


 
ルネッサンスでは、すでに音楽理論的には、自由な作法が許され、ポリフォニーからの自立がゆっくりとだが行なわれていた。その続きで器楽音楽がさかんになり、Camerataが生まれ、更にいよいよJacopo Periのエウリディーチェを筆頭に、オペラが成り立つ訳だ。その時代に、非常にポピュラーであったMarinoの詩を使う、Marinismをしかし、古い姿勢の古典的批判家は、徹底的に拒否する。マリにスムは、言葉の技巧と言っても良く、表面的なきらびやかな内容で、たくさんのテーマを扱い、人々の人気であったが、バロックの詩であり、いわゆるルネッサンス初頭のヒューマニズム時代のような、内省的な、精神の奥深くを探究せざるを得ない情感の表現とは全く違うものだった。この古典的批判家たちは、ペトラルカなどの作家の詩は、歌われ演奏されることを目的として書かれたものであるという点から、また再び認識し始めたと言うのだ。 うーん。大体これで説明がつく。オペラが成り立ったことにより、再び、詩と音楽の一体感が問われる様になったということか。しかし、Monteverdiは果たして、1607年にオルフェオがかかれる前に、器楽曲に集中したり、詩と音楽に執着しない作法を取っていたのだろうか・・・。ここのところ、もう少し調べてみる必要あり。記憶には残っていないところが恐ろしい。全部メモっておいたのに。 ところで、ここに、Kristellerの本をご紹介。ルネッサンスとヒューマニズムといったら、この人です。私は、この本から必要な点を発見した訳じゃないが、ドイツ語版のせいか、同様なものが無いので、これをここに付ける。しかし、この一冊で、ルネッサンスの思想は、すべて理解できるであろう。

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