2010年11月10日水曜日

洞窟の死人

 学生だった頃に夢を見た。ユング派に懲りだした頃から、よく夢を見るようになった。

いくつも強烈な夢を記憶しており、それは20年たった今でも薄れることはない。


その中でも特によく覚えているのは、洞窟の夢だ。

私はどこかの洞窟にたどり着いた。洞窟の前には、その洞窟に関する案内が、ガラスの箱の中に入って置かれていたような気がする。その内容は定かではないが、なんでも8人の古代人が洞窟に入ったきり、そこで死に絶えたと言うことだ。

闘士であったのかもしれない。鎧を着ていたのかもしれないし、原始人であった様な気もする。

どちらにせよ、象徴的なことが中で起こり、その8人は出てこれなかったと言うのだ。

夢の中で、私は洞窟に入り、そのすさまじい雰囲気を体験したのかもしれない。うっすらと亡霊のように、私は8人を見たのかもしれない。

しかし、それが何を意味しているのか、私には分からなかった。


先日、ひょんなことから、どうしても動画を見たくなり、なぜか「八つ墓村」を見た。なぜかと言えば、私はこの小説も知らないし、この映画も番組も見たことがなかったからだ。クラシックな推理映画を見たくなって、横溝正史のこの表題を思い出したのだ。


映画を見ながらびっくりした。

洞窟ではないが、8人の侍が鍾乳洞の中で、村人に殺されたと言う設定であった。

無論、これは小説であり、事実ではないのだが、夢のシンボルと言うのは、こうして小説のシンボルにもなりうる。つまり、小説家などは、無意識レベルまで自分の意識を下降させて、あるいは、無意識下のシンボルがアイデアとして浮上するような才能をやはり持っているのだと実感した。


洞窟、鍾乳洞、戦士など、やはりシンボリックな要素があるのだろう。


それにしても、8という数字の意味は何であろうか。


今度、今更ながらだが、ちょっと考えてみようと思う

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